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太陽光発電の運用保守、低圧向け新ガイドラインが公開

太陽光発電協会(JPEA)と日本電機工業会(JEMA)は2016年12月28日、「太陽光発電システム保守点検ガイドライン」を公開した。直流1500V(ボルト)以下の太陽光発電システムを対象とした技術資料で、JEPAのWe […]

太陽光発電協会(JPEA)と日本電機工業会(JEMA)は2016年12月28日、「太陽光発電システム保守点検ガイドライン」を公開した。直流1500V(ボルト)以下の太陽光発電システムを対象とした技術資料で、JEPAのWebサイトなどからダウンロードすることができる。

 2017年4月に施行される改正FIT法では、安定的な発電事業の継続に向け、発電事業者に事業計画の提出を求める新認定制度が導入される方針である。この新認定制度では、国が策定する「事業計画策定ガイドライン」のもとで、民間の作成する「保守点検ガイドライン」の参照が検討されている。さらにIECでは保守点検に関する新規格の制定も検討されているところだ。

 こうした背景からJPEAとJEMAでは、太陽光発電システムの安定的な発電の継続のためには、適切な保守点検が必要であり、将来のJIS制定を考慮し、IEC規格をもとにした保守点検ガイドラインを作成を決めた。しかしIEC規格は現時点で内容が確定していない。そこで、今回発表したガイドラインはIEC規格を元にし、既に民間のガイドラインとして発行されている技術資料などを参考に作成したものとなっている。IEC規格が正式に発行した時点で最新版への改定を実施する予定だ。

 ガイドラインの適用範囲は直流1500V以下の太陽光発電システム(太陽電池アレイ、接続箱・集電箱、パワーコンディショナーおよびこれらを構成するケーブルなど)を対象とする。パワーコンディショナーから先の交流側は規定しない。ただし、太陽光発電システムに受変電設備が含まれない場合は、電気事業者又は需要設備との責任分界点までの設備、ケーブルなどを含む。

 また、太陽光発電システム以外の発電設備又は蓄電池その他の貯蔵装置を含むシステムでは、太陽光発電システム部分を対象とする。こうした範囲の系統連系太陽光発電システムの基本的な予防、是正、発電性能にかかわる保守要件と推奨案を記載した。具体的には、「システムの信頼性、安全性および耐火性にかかわるシステム機器および接続部の基本的保守」「不具合対応手順およびトラブルシューティングの手順」「作業者の安全対策」を扱っている。

 この他に、太陽電池モジュールの洗浄、植生の管理など、期待される発電性能を最大限にするための保守項目も盛り込んだ。系統と連系していないシステム、太陽光発電システム以外の発電設備および蓄電池その他の貯蔵装置は対象外。また、運用にかかわるビジネスプロセスまたは経営プロセス、システムの基本動作条件、安全性および発電性能以外の要素に左右されるその他の事項については扱わない。

 

スマートジャパンより抜粋