ニュース

水害で壊れた太陽光発電、点検・撤去手順まとめ JPEAが注意喚起

2018年07月12日掲載 太陽光発電設備が水害によって被害を受けた場合の対処について 太陽光発電協会(JPEA/東京都港区)は7月10日、豪雨による水害で西日本各地が被災したことを受け、冠水・浸水・水没した太陽光発電設 […]

2018年07月12日掲載

太陽光発電設備が水害によって被害を受けた場合の対処について

太陽光発電協会(JPEA/東京都港区)は7月10日、豪雨による水害で西日本各地が被災したことを受け、冠水・浸水・水没した太陽光発電設備による感電防止についての対処方法や、技術者が安全に点検・撤去を行うための留意事項についての文書をホームページで告知した。

「太陽光発電設備が水害によって被害を受けた場合の対処について」で解説された主な注意点は次の通り。

販売施工事業者などに連絡を

まず、水害により被災した太陽光発電システムが50kW未満の場合は販売施工事業者に、50kW以上の場合は選任されている電気主任技術者に連絡し対策をとる。

感電のリスク!復興作業時でも、近づかない・触れない

水害にあった太陽電池パネルは絶縁不良となっている場合があり、接触すると感電する恐れがある。また、浸水したパワーコンディショナーは、直流回路が短絡状態になる可能性があり、短絡電流が流れることでショートや発熱する可能性がある。

そのため、やむを得ず水害にあった太陽電池パネルを復旧作業等で取り扱う場合でも、感電対策(ゴム手袋、ゴム長靴の使用等)によって感電リスクを低減すること。また、複数枚の太陽電池パネルが接続されたまま飛ばされたり流されたりした場合は、接続活線状態であれば日射を受けて発電し、高い電圧・電流が発生するため、周囲にロープを張るなど、関係者以外が不用意に立ち入らないような対策をすることが必要。

一方、パワーコンディショナーがショートしている状態が見える場合には販売施工事業者に連絡し、対応を取ることが必要だ。同時に、安全のための感電対策(ゴム手袋、ゴム長靴の使用等)を行い、パワーコンディショナーの遮断器を解列することも重要となる。

 

水害時、技術者が行うべき点検・撤去の手順・留意点

JPEAの「太陽光発電システム被災時の点検・撤去に関する手順・留意点(水害編)」は、太陽光発電設備技術者(電気主任技術者・販売施工事業者など太陽光発電システムや周辺電気設備に十分な知見を持つ者)に向けて、公共産業用システムが水害により被災した場合の点検・撤去ついての情報をまとめた文書。

技術者が行うべき安全対策と、点検・撤去の手順と注意事項の概要は下記の通り。

一般的な安全対策

点検・撤去時の服装や感電防止対策、作業区画の明確化、使用する器具について記載されている。例えば作業区画の明確化では、公衆の安全を確保するため、作業の着手に当たっては、区画ロープ・「立入禁止」の標識板などにより作業範囲を明示する。

点検・撤去の手順と注意事項

点検時、太陽光発電システムの各設備を取り扱う場合、電力系統側から受変電設備(低圧の場合は主幹ブレーカ)、パワーコンディショナ、集電箱、接続箱、太陽電池アレイでの順で作業を行うことが望ましい。ただし、絶縁抵抗の測定は全ての機器のブレーカーや断路器等を開放後に実施する。

またこの手引書では電力系統の遮断、パワーコンディショナの停止・解列、集電箱の解列、太陽電池モジュールの解列・撤去などの手順についてもまとめられている。

JPEAは、これらの文書と併せて確認するべき文書として、日本電気協会の「自家用電気工作物保安管理規程」や、日本電機工業会の「小出力太陽光発電システムの保守・点検ガイドライン」、JPEAの「太陽光発電システム保守点検ガイドライン『10kW以上の一般用電気工作物』」を紹介している。